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考古学・歴史学、趣味の色々な雑文


by nara-archaeol

りゅうおうのおしごと 5巻 つきぬけてる疾走感

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書く、書く、詐欺になりつつあった、この本の感想。

実の所、この本、突き抜けてる傑作で、正直言って書けなかったのである。

何とか書こうと思いながらも、書き出しで躓き、辞めるを繰り返してきた。

おそらく白鳥さんがこの作品を生み出すのに、痩せる思いをしたであろうことは間違いなく、それくらいこちらもやらないと失礼だと思っては見たが、この作品の感想は書けそうで書けないのだ。

ただ6巻の発売日が近づいてきたので、もうどんな形にしろ一旦発表することが、白鳥さんへの礼儀だとおもうので、つたないことは承知の上、一度出してみる。

これほど見事な、挫折と再生の物語を作り上げることはちょっとやそっとではない。

これはライトノベルと一種蔑視されるジャンルの作品ではない。

真ん中に挟まれる、九頭竜八一と雛鶴あいの模擬婚約式のギャグパートが邪魔だと感じられるほどの将棋小説である。

確かに文体表現はライトノベルなのだろうが、逆にそのため老若男女が読める将棋小説、なのである。

4巻で予告されていた、竜王戦。

この小説世界で、今もなお名前すら登場しない、「名人」との決戦。

ハワイでの第一戦から、追い込まれていく、八一。

天童から落ち武者以下の状態で脱走する辺りはもう復活はない、というか、失冠間違いない状況が描かれる。

追い込む鵠。鵠の正体もこの巻で明らかになる。なぜこんな難しい漢字に振り仮名がふられていなかったかも。

当り散らし迷惑をかけながら、回りの人たちに力をもらって復活する八一。

名人をしりぞける。ここに至る描写は機動戦士Zガンダムを下敷きにしながらもとても見事。

そしてこの本を更に傑作にしているのが、鵠の手になる、ということになっている、八一-名人戦の観戦記「伝説を終わらせる者」である。

この文章は余りにも見事の一言に尽きる。

観戦記を観戦記たらしめた、倉島竹二郎以下の苦心の結晶がここに生きていた。

私は倉島にあったことがあるが、倉島が読んでも、それなりに評価してくれるんではないだろうか。

ともかくこの本の感想はものすごく書きにくい。

最近これほど将棋、将棋した、小説を読んでないと思った。

漫画という表現方法からの結晶、3月のライオン、と並ぶ傑作だというしかない。

関西将棋会館は今藤井さんのフィーバー状態で、ものすごい熱気になっている。

藤井さんは名古屋地区なので、関西連盟の所属であるから関西連盟にとって、ものすごく明るい話題であるからだ。

8日に福島の会館に寄ったら、親同伴の小学生があふれていた。

かくいう私も白鳥さんのこの仕事で、福島へ行くようになった。

福島地区の活力につながっていると実感する。

その牽引車が藤井さんと白鳥さんのこの仕事であると確信している。

一応これまでに書いた、福島の記事は以下のもの。参照してください。
大阪・福島散歩(1)
http://naraarchae.exblog.jp/24755922/
大阪・福島散歩(2)
http://naraarchae.exblog.jp/24755939/
大阪・福島散歩(3)
http://naraarchae.exblog.jp/24755965/
大阪・福島散歩(4)
http://naraarchae.exblog.jp/24755999/
大阪・福島散歩(5)
http://naraarchae.exblog.jp/24756024/

大阪福島・関西将棋会館訪問記 りゅうおうのおしごとの舞台

http://naraarchae.exblog.jp/24720067/



写真のように、小冊子付きとそうでないのの両方を購入した。

倉島さんの本の上に置いて撮影してみた。

小冊子のさがら総さんのショートは銀子押しの人にはたまらない夢落ちショート。

でも銀子いいよね。



by nara-archaeol | 2017-07-11 00:07 | まんがなど